ピェール 黙示録よりも深く(上・下)

理想と現実に引き裂かれる曖昧なる人間の愚かさを見つめ、キリスト教社会の欺瞞、西欧社会の偽善を炙り出す――『白鯨』の著者メルヴィルが世界の破滅絵図【ピクチュアレスク】として描いた大長編の問題作。

半神たちが屑を踏みつけている。「美徳」と「悪徳」も屑なのだ! イザベル、ぼくはそういったことを書くつもりだ――そしてぼくは、この世界にあらためて新しい福音を説き、『黙示録』よりも深い神秘を示してやる!――そういうものをこそぼくは書く! いや書いてみせる!

全26書のうち、上巻には、イザベル登場によりピェールの反逆の人生の火蓋が切られる〈第12の書〉までを、下巻には、故郷からの旅立ち、作家への道と破天荒な人生行路が待ち受ける〈第13の書〉からを261収録。

【お詫び】カバー袖の著者生没年の誤りについて
上・下巻とも
【誤】1777-1843
【正】1819-1891
1刷での誤りです。2刷以降修正いたします。訂正し、お詫び申し上げます。

ミルドレッド・ピアース 未必の故意

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』のJ・M・ケインの、映像化されたノワール文学の傑作。大恐慌のロサンゼルス郊外で、役立たずの夫を追い出した女が奮闘する、奮闘する愛と金と逸脱の物語。
アメリカの大衆の夢と欲望を描く。本邦初訳。

ロス・マクドナルド「ケインの日常的細部への卓越した観察眼はジャーナリスト出身ゆえだとわかる」
トム・ウルフ「騒がず落ち着いてジェイムズ・M・ケインを読んで小説の書き方を学習しろとノーマン・メイラーに勧めてやった。」

仮面の陰に あるいは女の力

あの『若草物語』の作者オルコットが扇情小説を書いていた?!  なぜオルコットは、A. M. バーナードという男性作家名義で、 かくも扇情的な小説作品群をいくつも発表していたのか? 英国の名家でガヴァネスが惹き起こす、19世紀米国大衆〈スリラー〉小説。

火の後に

イエーツ、ダンセイニ、ロレンスらの短篇 上田敏も称賛したグレゴリー夫人、タゴールの詩 大正期に広く読まれていた戯曲 アメリカ探偵小説 その広範な「松村みね子」名での訳業を網羅。解説:井村君江ほか