江戸役者

「河原者たア誰を指した。江戸随一の團十郎だ。てめえの眼は節穴だな。」

邦枝が誘(いざな)い、雪岱が開眼した江戸風情の世界。
八代目市川團十郎を軸に描く人間模様。
『おせん』に先立つ一年前の、記念碑的作品。
雪岱研究者の真田幸治により単行本初収録の挿絵70点を完全復刻し刊行。

俺の仕覆

愛するものを、いつも身近に、そして未来へ。
茶道具ばかりではなく、古伊万里の皿だって、バカラのグラスにだって……
古渡インド更紗にエルメスのスカーフ? トワル・ド・ジュイにはっぴの帯も!!

大胆な発想、そしてだれにも真似できない独自の布合わせ……
「仕覆界の最左翼」を自負する人気の作家20余年の仕事を振り返る。
掲載作100余点。オールカラー。英文付
これが「俺の仕覆」だ。

おせん

邦枝完二の新聞連先小説。
「邦枝君のみ中年に至って、精力毫(ごう)も昔日に異らず、思想再芸今やまさに円熟大成の境地に到らんとす。其近業にして今汎(あまね)く世に迎えらるるものは、専(もっぱら)江戸市井の風俗生活を描写せし小説なり」(永井荷風)
小村雪岱は、この挿絵の仕事で、「雪岱調」を完成させた。

挿絵99点+カット7点を、編者が完全再現。

絵画の運命

モデル、モチーフ、時代背景、保護、競売のシステム、メディアの批評など、「美」を取り巻く人々の眼差しがつくった「歴史」 政治や経済、そして戦争における権謀に巻き込まれて国境を越え、流転を重ねた傑作がある。 その、カンバスの裏に隠された履歴を追う。

本文中、誤りがありましたので、訂正します。83頁終りから3行目
【誤】下山観山
【正】下村観山
増刷となりましたら、修正します。

湘南の身近な草との語らい

モチーフとされることが稀な雑草を描くことによって見えてくる、その生態と形象のすばらしさと、そこから学ぶ生き方を、270点余の植物画であらわす。ボタニカル・アートの魅力。

小村雪岱挿絵集

物語に生命を吹き込んだ描線。その仕事を、新たに発掘した数多の作品をまじえて一望する。大正15年から没年の昭和15年までの雑誌掲載作品を中心に集成。「両国梶之介」(鈴木彦次郎)の原画など図版350点。

手書きの効用

文字を書いたら何かが起きる 習字に頼らない書き方を手書きのプロが伝授。「真実! 文字にウマいヘタはない!」

ホルトの木の下で

作品だけでなく、その生き方も支持される孤高の日本画家の自伝。百歳を前に、1950から80年代に発表したエッセイ10篇を増補した新版。

映画の乳首、絵画の腓

エロスか死か!  美の動体視力が読者の価値観を転覆+振動させる…… 伝説の評論集が新世紀増補究極版〔21century ultimate edition〕として再起動!

本の景色 BIBLIOTHECA

【発行:usimaoda】 国立国会図書館の修復室、大学図書館の貴重書庫、古書店など。稀覯本を中心とした本の世界。

レンズの下の聖徳太子

1960年代、青年は「紙幣」によって「芸術」を超えた。 表題作の封印されていた処女小説ほか、「超私小説」の領域を拓いた10篇。初めての書籍収録。

みすず書房旧社屋

48年から96年まで、みすず書房の本が生まれた現場 解体前のおよそ一年の間、潮田登久子が撮影した写真100余点と関係者(加藤敬事、鬼海弘雄、島尾伸三ほか)の寄稿で振り返る本が生まれた場所。 16

虹の橋を渡りたい

女とマスコミがしっかりしていれば戦争は防げる! この国の100年の激動を見てきたからこそ、言い残しておきたいこと。長年の交流を持つノンフィクション作家が丹念な取材で、いまなお創作活動を続ける画家の足跡をたどる、決定版評伝。

おんなのこ

40年前に刊行された「佐野洋子+くどうなおこ」の初めて作品が、書き下ろしの詩とあふれる色彩で、佐野洋子没5年に甦る。時空を超えてしなやかに、したたかに生きるすべての「おんなのこ」に贈る物語。

マジカル・ヒストリー・ツアー

「歴史ミステリ」とは何か? 『時の娘』『薔薇の名前』『わたしの名は赤』などの名作をとおして、小説、宗教、美術が交差する「近代の謎」を読み解く。ミステリ作家による歴史ミステリの教室。書き下ろし。

線で読み解く日本の名画

日本絵画の要諦は輪郭線にあり 奈良時代の墨絵から、浮世絵、近代画まで、日本絵画の歴史1200を新しい視点読み返す美術案内。図版82点 カラー口絵4頁

風の吹き抜ける部屋

小説とは何か、「私」とは何か 同時代をともに生きた戦後作家たちへの追想。創作の秘密。そして、死者と生者が交わる言葉の祝祭へ。現代文学の最前衛を走り抜けた小説家が問い続けるもの。

かばの本

気は優しくて力持ち 意外に知的でエレガント いまこそカバの恵みを! 世界一のかばグッズコレクター・ヒポミが、コレクションを初公開。【特別寄稿】池内 紀、堀江敏幸、井内岳志