谷崎潤一郎と好色論 日本文学の伝統

谷崎との親交を回想した「谷崎潤一郎」、「源氏物語」に対する日本人の受容の歴史を辿り、日本文学の伝統についての「好色論、ほか。解説:石川 肇

ハネギウス一世の生活と意見

時代の現実を裏返す反世界の作家が生涯求めた「博物学的精神」の行方とは。 『虚無への供物』から半世紀を経て黒鳥座XIの彼方より甦った、全集未収録の随筆・評論集。

沈黙を聴く

文学は、権力を持たぬ。権力にならぬ。そこに文学の貴重さがある。 先鋭な批評精神にも、「円熟」の時は訪れた…… 老いてこそ滋味あふれる、文芸評論家の単行本未収録エッセイ集。

トリビュート百人一首

平安と今をつなぐ和歌×短歌 26人の歌人が「百人一首」に挑む。 【参加歌人・掲載順】岡井 隆、 高島 裕、 佐伯裕子、 望月裕二郎、 石川美南、 今橋 愛、 田村 元、 加藤治郎、 内山晶太、 沖ななも、 佐藤弓生、 大松達知、 光森裕樹、 栗木京子、 米川千嘉子、 仲井真理子、 雪舟えま、 黒瀬珂瀾、 永井 祐、 川野里子、 山田 航、 荻原裕幸、 今野寿美、 東 直子、 尾崎左永子、 馬場あき子。 古典のとびら、歌詠みの道しるべ。

その先は永代橋

去直前まで書き継がれた長編雑文 「その先は永代橋」(東京人)と「ベーコンの永代橋」(en-taxi)を収録、荷風、小津、阿部定、フランシス・ベーコン…… 崩れる書物の山から眺めた永代橋300年の歳月。跋文:平山周吉

木下杢太郎を読む日

木下杢太郎の作品に触れながら杢太郎と対話する。「私評論」という新しい境地

和音羅読

いまこそ読むべき古典 西欧の知の源泉のひとつでありながら、日本人に影が薄かったラテン文学を道案内。

保守の辞典

言語動物の「実存」、「実践」そして「解釈」 「「実存思想」「解釈学」「実践思想」の思想のトリアーデを結びつけるには、「保守思想」がなかればならない」

ひとり歩き

いつでも寄り道、どこでも昼寝 長年、日本で暮らす大学教授のガイジン(アメリカ人)が、日本、アメリカ、中国、韓国、台湾で見比べた「間」にあふれる「違い」のおもしろさ。「きらめく光景」に出会えるエッセイ集

連続する問題

「今、ここ」とつなぐ、文芸批評の臨界点 中野重治、小林秀雄、ドストエフスキーらの言葉を手がかりに、今日的事象の背後から我々を歴史的に拘束する「問題」を読み解く。書き下ろし「補論 切断のための諸断片」収録

反官反民

思想の確かさは、具体的な事象への判断によって試される。注目の論客のこの10年の軌跡。

東京タワーならこう言うぜ

本、雑誌、書店、出版社、そして人…… 失われゆく光景への愛惜とこれからのヒントが詰め込まれた、東京タワーと同じ年の著者の時代観察の記録。

秋の思想

時代の境界「秋」を情と志に生きかつ死んだ「人」。知の玩弄物と化した「思想」に「理想」を追い求めた孤高の思想家の絶筆。

影の磁力

なぜ、鉄道や団地、天皇制にこだわり続けるのか― 影なる存在に魅了された政治学者の基軸に迫る書評・時評集

おじさん・おばさん論

歴史、そして文学や映画など芸術作品にみる「世界のおじ・おば大全」。親からでない斜めの文化継承があるからこそ、さまざまな人にチャンスが与えられて、世界が面白くなるのだ。堂々と年をとろう。

鏡のなかの薄明

評論の名手である政治思想学者が、専門の枠をしなやかに越え、世界や本を眺めながら考えたこと。新聞、雑誌に発表した書評や時評を精選。

中世幻妖

近現代の文化人によってつくられた〈中世〉のイメージ。なぜかれらは中世に憧れ、中世を歪めたのか。ステロタイプの中世像を打破する意欲作。

考えるヒントで考える

気鋭の若手評論家が、小林秀雄『考えるヒント』を手がかりに、思想史をたどりながら、学問・知性・時代・政治・職業について考える書下ろし。