〈僕が最後にゴンゾオ叔父を見たとき、叔父は空気の抜けたアドバルウンよろしく、皮膚がたるんで萎びてしまつてゐた。それは戦争が終つてまもないころである〉――「追憶の作家・小沼丹」はいかにして誕生したか。戦中の修行時代から「第三の新人」として活躍するまでの初期短篇を初書籍化。限定1000部。生誕百年記念刊行・第6弾。

［目次］
柿（1944）
時雨（1945）
白き機影の幻想（1947）
秋のゐる広場（1948）
細竹（1948）
忘れられた人（1950）
早春（1951）
敬礼（1953）
テンポオ翰林院（1956）
ゴンゾオ叔父（1956）
　収録作品解題
　解説　中村明

師である井伏鱒二の回想と作品の魅力について、太宰や三浦哲郎など身近に接した作家たちについて、自身の文学世界について。おもに文学についての初書籍化の随筆集。

庭の小さな生き物、行きつけの酒場、仲間とめぐる旅、小説の登場人物としてもお馴染みの忘れ得ぬ人びと。日常にまつわる随筆70篇。初の書籍化。

生誕100年　全集単行本未収録の入手困難な5篇を収録。小沼文学の異貌をあらわす、変幻自在の娯楽作品集。【限定1000部】

生誕100年記念 小沼文学の新たな魅力を発見できるミステリ作品集。巻末エッセイ・北村 薫