白木蓮咲く

歌と日記でつづる、あれから


物言わぬ死者たち眠る東山霊園汚染袋(フレコンバッグ)の高く積まれいる
雪の道ラッセルしつつ行く夫の付けし足跡に重ねて歩く

あとがきより
夫の死が認められなくて、それなら、夫の描いた絵を形として残したいと思った。原発事故の世の中を一枚の絵に込めた白木蓮の絵が、通夜の夜に白く光って浮き上がって見えた。この絵を私の十年余りの原発事故の記録と共に、形にしたいと思った。

ことばの力 うたの心

単調で、複雑な意味の表現をしていないにもかかわらず、なぜ芸術的感銘を与えるのか――
『言語にとって美とはなにか』以来の素朴な疑問を携え、短歌表現の魅力に迫る歌人論。

「ぼくは短歌に執着している、
つくらないけれども、
読むことに執着している。」

収録歌人論(生年・収録順)
長塚 節
斎藤茂吉
石川啄木 【啄】は正字
折口信夫
前川佐美雄
近藤芳美
江口きち
塚本邦雄 【塚】と【邦】は正字
村上一郎
前登志夫
岡井 隆
寺山修司
佐佐木幸綱
辺見じゅん
岸上大作
福島泰樹
俵 万智

うた燦燦

いつのことを語るにも、うたがきらめく 『無援の抒情』から50年。百人一首から現代まで、エッセイの中に180首が光る

トリビュート百人一首

平安と今をつなぐ和歌×短歌 26人の歌人が「百人一首」に挑む。 【参加歌人・掲載順】岡井 隆、 高島 裕、 佐伯裕子、 望月裕二郎、 石川美南、 今橋 愛、 田村 元、 加藤治郎、 内山晶太、 沖ななも、 佐藤弓生、 大松達知、 光森裕樹、 栗木京子、 米川千嘉子、 仲井真理子、 雪舟えま、 黒瀬珂瀾、 永井 祐、 川野里子、 山田 航、 荻原裕幸、 今野寿美、 東 直子、 尾崎左永子、 馬場あき子。 古典のとびら、歌詠みの道しるべ。

スクリプト

「呪いほど正直じゃなく日記ほど嘘じゃないのがここにあるもの」心と心のあわいは短歌でなければ表現できない!

桔梗の風

【遺稿エッセイ集 2】 「短歌の解明を抜きにして日本人の心は捉えられない」。和歌・短歌、歌人について、御製についてのエッセイを収録

耳うらの星

注目の歌人で作家の心に沁みこむエッセイ集。転校生だった少女時代から、短歌と出逢い、小説を書くまで。