村上春樹とフィクショナルなもの

「僕」はいま同時に二つの場所にいる――
地下鉄サリン事件を起こした麻原彰晃へ、小説家としての「負い目」を感じる村上春樹―。
『アンダーグラウンド』以降、どのようにこれを払拭するのか?
『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』をメタファー物語論で読み解き、村上春樹の新たな挑戦と試みを差し出す画期的な論考。

私は小説である

S・ベケットに始まり、小島信夫、小沼丹、保坂和志、大江健三郎、村上春樹、蓮實重彦、筒井康隆、磯崎憲一郎、古川日出男、坂口恭平、山下澄人、飴屋法水、そして再びベケットの方へ。「私」と「小説」の可能性を酷使し、拡張し、更新するための小説論。