終わりなき漱石

生成、深化、そして再帰へ。 著者がデビュー以来長年書き継いできた『夏目漱石論―序説』(1980)、『「それから」から「明暗」へ』(1982)、『夏目漱石は思想家である』(2007)、『漱石の俳句・漢詩』(2011)の四冊をベースに、新たに一貫したモティーフのもと漱石作品を読み直し、大幅改稿のうえ論じ直した、神山漱石論の現時点での集大成となる超大作(全1056頁)。 小説のみならず、俳句・漢詩さらに『文学論』も含めた、夏目漱石の文学と思想――その全体像を読み解く試み。

[目次]
はじめに
第一部 生成する漱石
第二部 深化しゆく小説
第三部 思想としての漱石
第四部 再帰する『文学論』
第五部 詩人漱石の展開 俳句・漢詩
略伝
略年譜
あとがき

本書の「はじめに」をnoteで公開しています。

文学問題(F+f)+

夏目漱石「文学論」を現代語訳+解説で完全読解。文学の定義「F+f」を古今東西の文学を読み解く道具として再生。多様な学術領域と連関し「来たるべき「文学論」」としてヴァージョンアップ。「文学とは何か?」を理解するための文学問題集

洋燈(らんぷ)の孤影

『明暗』によって、20世紀は文学化された。明治人・漱石と20世紀人・漱石  その表現論、人間論、歴史意識のうちに、漱石文学の真実を捉える。文芸評論の第一人者による斬新な漱石論。