セリーヌの詩情の源泉たる霧の都ロンドン。女衒やアナキストが跳梁するこの魔都は、やがて海彼の世界大戦の熱狂に飲まれて錯乱の渦と化してゆく―
―『戦争』続く没後発見された原稿邦訳第2弾。
グロテスク・リアリズムが最高純度で炸裂する自伝的悪漢小説
サント゠ブーヴ評論選
作家、作品を精確に捉えて〈肖像〉として描出し、詩や小説とならぶ文学ジャンルとしての「批評」を確立した、近代批評の父サント゠ブーヴ――バルザック、ユゴー、ノディエ、シャトーブリアン、サン゠シモン、スタンダール、ボードレールらをめぐる九つのフランス文学評論を精選。
虹の女神が涙したとき
太平洋戦争時、日本軍の侵攻に抵抗するフィリピンの住民たちが自由のために戦う中、一人の少女が神話的想像力によってエンパワメントを歌い求める――フィリピン系アメリカ人女性作家ブレイナードの半自伝的なマジックリアリズム小説にして歴史証言の文学。本邦初訳。
故ギャレ氏 リバティ・バー
作家シムノンが生涯を通じて書き続けた〈メグレ警視シリーズ〉の最初期の傑作二篇を合本。
早晩、結実する〈硬い小説(ロマン・デュ―ル)〉を彷彿とさせる舞台で、偏見持ちで情の深いメグレ警視ならではの人間観察が冴える、じっくり味読したい探偵小説が新訳で復活!
早晩、結実する〈硬い小説(ロマン・デュ―ル)〉を彷彿とさせる舞台で、偏見持ちで情の深いメグレ警視ならではの人間観察が冴える、じっくり味読したい探偵小説が新訳で復活!
メダンの夕べ 戦争と女たち
戦場、野戦病院、兵舎、総司令部などにおける「現実」を直視し、戦時下の軍人や女たちの生を鮮明に描き出すことによって、戦争美化の言説に抗議の声をあげる――パリ郊外のメダンにあるゾラ宅に集った、モーパッサン、ユイスマンスら6人のフランス自然主義作家が普仏戦争(1870-71)を記録、諷刺した短編小説集。本邦初完訳。
※『メダンの夕べ』:メダンはパリ郊外の小村。メダンのゾラ宅に、自然主義文学者ゾラに共闘の意を示す若き五人の文学青年たちが集い、ゾラと一緒に、普仏戦争を題材にした共作短編集を作ることになったことから付けられた題名。ゾラを除く五人の青年は二十歳前後で普仏戦争時に従軍。普仏戦争の現実こそ自然主義文学の対象にふさわしい題材と捉えた。
※普仏戦争:1870―71年、ドイツ統一をめざすビスマルク率いるプロイセンと、第二帝政下フランス(皇帝ナポレオン三世)との間で行われた戦争。スペイン王位継承問題をきっかけに、プロイセンの挑発に乗りフランス側から開戦。ドイツ諸邦はプロイセン側に立って参戦し、フランスに圧勝。敗れたフランスは、アルザス‐ロレーヌをプロイセンに割譲。第二帝政が崩壊したフランスではパリ・コミューンが成立。その後、第三共和制となる。
【目次】
序文
水車小屋の攻防 エミール・ゾラ
脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン
背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス
瀉血 アンリ・セアール
大七事件 レオン・エニック
戦闘のあと ポール・アレクシ
補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文
補遺二 メダンの夕べ―どのようにしてこの書が作られたか
註
『メダンの夕べ』年譜
訳者解題
※『メダンの夕べ』:メダンはパリ郊外の小村。メダンのゾラ宅に、自然主義文学者ゾラに共闘の意を示す若き五人の文学青年たちが集い、ゾラと一緒に、普仏戦争を題材にした共作短編集を作ることになったことから付けられた題名。ゾラを除く五人の青年は二十歳前後で普仏戦争時に従軍。普仏戦争の現実こそ自然主義文学の対象にふさわしい題材と捉えた。
※普仏戦争:1870―71年、ドイツ統一をめざすビスマルク率いるプロイセンと、第二帝政下フランス(皇帝ナポレオン三世)との間で行われた戦争。スペイン王位継承問題をきっかけに、プロイセンの挑発に乗りフランス側から開戦。ドイツ諸邦はプロイセン側に立って参戦し、フランスに圧勝。敗れたフランスは、アルザス‐ロレーヌをプロイセンに割譲。第二帝政が崩壊したフランスではパリ・コミューンが成立。その後、第三共和制となる。
【目次】
序文
水車小屋の攻防 エミール・ゾラ
脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン
背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス
瀉血 アンリ・セアール
大七事件 レオン・エニック
戦闘のあと ポール・アレクシ
補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文
補遺二 メダンの夕べ―どのようにしてこの書が作られたか
註
『メダンの夕べ』年譜
訳者解題
ヴァイルビューの牧師 他六篇
デンマーク辺境の荒地を描いてアンデルセンやキェルケゴールを魅了し、19世紀前半の〈デンマーク黄金時代〉に詩的リアリズム文学を大成したスティーン・スティーンセン・ブリカー。表題作はじめ『ある教会書記の日記』など、人間の避けられぬ悲運や孤独を描いた全7篇の傑作短編集。
■訂正■
奥付著者名に誤りがありました。
【誤】スティーン・スティーセン・ブリカー
【正】スティーン・スティーンセン・ブリカー (ミドルネームのなかほどの「ン」が抜けておりました。
お詫び申し上げます。
■訂正■
奥付著者名に誤りがありました。
【誤】スティーン・スティーセン・ブリカー
【正】スティーン・スティーンセン・ブリカー (ミドルネームのなかほどの「ン」が抜けておりました。
お詫び申し上げます。
海の夫人/ヘッダ・ガーブレル
海に憧れながら元の生活から離れぬエレーダを描く『海の夫人』。他人との関係を疎むヘッダの退屈な生を描く『ヘッダ・ガーブレル』。「自己亡命」の終焉間際に書かれた、祖国への愛憎と望郷の狭間のイプセンの葛藤が〈居場所探し〉として結晶化した、リアリズム期の傑作戯曲2篇。
スカートをはいたドン・キホーテ
『ドン・キホーテ』のパロディーたるスペイン自然主義文学にして、マリオ・バルガス゠リョサに「20世紀初頭の前衛小説に先んじた手法」と称された《非現実の夢》を用い、首都マドリードの都市空間の綾を読み解くベニート・ペレス゠ガルドスの都市小説の傑作長編。本邦初訳。
カトリーヌ・クラシャの冒険
ボードレール、ネルヴァル、ヘルダーリンに列せられる詩人・小説家ピエール・ジャン・ジューヴ――映画女優カトリーヌをめぐる三角関係と破局を描く『ヘカテー』。小説の結構が瓦解し、主人公の夢と現が混淆する『ヴァガドゥ』。めくるめく二つの物語がオペラのように紡がれる詩的長編小説。
渇 き
日常生活における真の「愛」の実相が家庭劇の対話を通じて追求され、登場人物各自の自発的な自己反省から人間存在そのものの内なる飢え、〈渇き〉という存在論的問題が浮き彫りにされる――「形而上的体験」が具現化された、哲学者ガブリエル・マルセル中期の代表的戯曲。本邦初訳。四六
綱渡り
画家になることの断念から「新しい小説」を書く作家へとみずからを変貌させた小説家クロード・シモン――作家自身の自画像を描いた〈私小説〉を想起させる自伝的小説にして、文学の前衛運動をいち早く先取りしていた、世界文学最初の〈ヌーヴォー・ロマン〉作品。本邦初訳。
アルキュオネ 力線
対独抵抗運動に挺身した「闘士」の作家ピエール・エルバール――無人島で営まれる少年同士の同性愛的な友情を活写するBL小説『アルキュオネ』、スターリニズム下の若き反抗者たちの同性愛と政治参加を巧みに描いた、エルバールの私小説的作品『力線』の2篇を収録。本邦初訳。
デイジー・ミラー/ほんもの
ヨーロッパにおける、アメリカ人女性の無垢で奔放な生を描き、〈国際テーマ〉の名作として文名を高めた短編「デイジー・ミラー」。画家とモデルと絵画の関係を寓話的に描き出す〈芸術もの〉の短編「ほんもの」。ヘンリー・ジェイムズの小説的リアリティの特性が浮かび上がる珠玉の2篇。
心霊学の理論
ヴィルヘルム・グリム、フケー、C・G・ユングらを魅了し、人心を惑わす「危険な書」として発刊即、発禁となった禁断の書。霊界、幽体離脱、ドッペルゲンガー、テレパシー等々を克明に詳述したユング゠シュティリングの哲学的思索の総決算の書にして、スヴェーデンボリを超える心霊書。本邦初訳。
愛する者は憎む
幻想的短編小説の名手シルビナ・オカンポと、名作『モレルの発明』の著者にして夫のアドルフォ・ビオイ・カサーレスが共作した唯一の長編小説。スペイン語圏に推理小説ブームを巻き起こすボルヘス監修の伝説的コレクション〈第七圏〉から刊行された名作の探偵小説が本邦初訳で登場。
ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇
フロイトやブレヒトにも影響を与えた、19世紀ドイツ最大の悲劇作家フリードリヒ・ヘッベル――中世叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に忠実な劇作化が試みられ、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』四部作と双璧をなすことになった、最後の観念劇とも言われるヘッベル晩年の大傑作。
ユダヤ人の女たち
文学の徒にして親友だったフランツ・カフカの遺言に逆らい、遺稿を守って亡命、カフカ全集を編纂して世界文学に貢献した作家・翻訳家マックス・ブロート――1910年代チェコのギムナジウムに通うドイツ系ユダヤ人青年の恋愛と蹉跌を赤裸に描く、ブロートの自伝的小説。本邦初訳。
失われたスクラップブック
“ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めく、ポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――“読まれざる傑作”として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!
第11回日本翻訳大賞受賞作。
第11回日本翻訳大賞受賞作。
ジュネーヴ短編集
手書きの文字と線画を組み合わせ、コマ割マンガの創始者となったジュネーヴの作家ロドルフ・テプフェール――諧謔精神あふれる半自伝的小説「伯父の書斎」、アルプスの風土をスイスことばで描いた冒険譚「アンテルヌ峠」など珠玉の全8篇をテプフェール自身の挿絵つきで収録。本邦初訳。
□収録作
伯父の書斎
遺産
アンテルヌ峠
ジェール湖
トリヤン渓谷
渡航
グラン・サン=ベルナール
恐怖
□収録作
伯父の書斎
遺産
アンテルヌ峠
ジェール湖
トリヤン渓谷
渡航
グラン・サン=ベルナール
恐怖
スリー
B・S・ジョンソンらと並び、1960年代イギリスで実験小説を発表し、女性であることの困難にも向き合った前衛作家アン・クイン。行方不明の少女が遺したテープと日記帳が夫婦二人の日常を軋ませ、次第に蝕んでいく――作者の自伝的要素も組み込まれた奇妙な長編小説。本邦初訳。
でもここで私は踏み込んで可能であるなら想像のまさに極限に至るまで浸ってみたい。別の水準を、更なる次元を獲得するんだ、できれば私と一緒に二人も連れていって。でも感情はどれくらい遠くまで広がり得るものなんだろう?
でもここで私は踏み込んで可能であるなら想像のまさに極限に至るまで浸ってみたい。別の水準を、更なる次元を獲得するんだ、できれば私と一緒に二人も連れていって。でも感情はどれくらい遠くまで広がり得るものなんだろう?