大正元年(1912)に広津和郎、葛西善蔵らによって創刊された同人誌「奇蹟」の同人たちの私小説を精選。
絶え間なく酒に酔い、自己反省に胸を圧されて苦しむ日々。
質入れで当面を凌ぎ、一人ぽっちの不幸、寂びしさ、徒労、絶望を噛みしめる。
皆な貧しく、みじめで、痛々しく、いじけていた。
いったい俺の生活は、どこが間違って、こんな風になっちゃったのか……。
友だちを出汁《だし》に書き、絶交を繰り返しながらも、しかし熱情は棄てなかった。
100年以上前の、伝説の同人誌の、同人たちの関係性を現す10篇。
■収録作品/初出/略歴
光用穆「旅立ちの日」/「奇蹟」大正2年(1913)四月号/みつも ちきよし 1887―1943一/新潟県生まれ。明治42年(1909)、早稲田大学英文科を卒業。同郷の縁で相馬御風の家に寄寓する。明治45年、石川新聞社長秘書となり金沢へ移住。「奇蹟」同人として大正元年(1912)以降、「クリスマスの夜」「高台」「メリーゴーラウンド」「旅立ちの日」などを執筆した。大正3年から6年頃にかけて、「創造」「早稲田文学」「洪水以後」「黒瞳」に「夜の獣」「人魚」「百足」「猫」と発表したが、その後は創作から遠ざかった。著書に『現代美術界総覧』(1918)、訳書にウェルス『宇宙戦争』(1915)がある。
谷崎精二「友だち」/「新公論」大正6年(1917)十月号/たにざき せいじ 1890―1971/東京日本橋生まれ。兄は谷崎潤一郎。家運の傾きから発電所に勤務しつつ苦学、早稲田大学英文科へ進み、大正2年(1913)に卒業。卒業後は「早稲田文学」を中心に発表、『地に頰つけて』で注目される。大正10年、片上伸の推挙により早大文学部の講師となり、昭和6年(1931)に教授となる。第三次「早稲田文学」を二十年にわたり主宰。創作のほか特にポーの翻訳で知られ、『谷崎精二選集』『ポオ小説全集』などがある。
宮地嘉六「甕」/「文章世界」大正8年(1919)二月号/みやち かろく 1884―1958/佐賀県生まれ。貧困のため小学校を中退し、仕立屋の丁稚を経て十二歳で佐世保海軍工廠の見習工となる。十六歳から三十一歳まで兵役を挟み旋盤工、旋盤師として約十年間を呉海軍工廠で、それ以外は神戸、長崎、東京の工場を転々とした。二度目の上京の折に舟木重雄と知り合い、親しく往来するようになる。大正3年(1914)の三度目の上京後は、堺利彦を知り、売文社、廿世紀、新公論などに勤めながら文筆に専念、職工時代を材に「煤煙の匂ひ」「或る職工の手記」「放浪者富蔵」などを発表して労働文学の形成期にも寄与した。昭和27年(1952)に晩年の代表作「老残」を発表。『宮地嘉六著作集』など。
相馬泰三「B――軒事件」/「太陽」大正9年(1920)一月号/そうま たいぞう 1885―1952/新潟県生まれ。本名は退蔵。明治44年(1911)、早稲田大学英文科中退。在学中、「奇蹟」の前身ともいえる同人の集い「稲風会」に光用穆、舟木重雄らとともに参加した。萬朝報社で「婦人評論」の記者となり、大正2年(1913)頃より植竹書院で翻訳の仕事に従事する。「田舎医師の子」(1914)で注目され、「早稲田文学」「新潮」「文藝春秋」などに作品を発表。代表作の長篇『荊棘の路』(新潮社 1918)では、仲間の作家を過度に脚色して描いたため反発を招いた。次第に創作に行き詰まり、文壇から距離を置くようになる。のち越後に戻って農民運動に関わり、晩年は紙芝居制作に従事した。『新選相馬泰三集』など。
廣津和郎「針」/「解放」大正9年(1920)一月号/ひろつ かずお 1891―1968/東京牛込矢来町生まれ。小説家・広津柳浪の次男。大正2年(1913)、早稲田大学英文科卒業。大正元年に舟木重雄、峯岸幸作らと同人誌「奇蹟」を創刊。大学卒業後も翻訳や執筆などで一家を支える傍ら創作にも励み、処女作「神経病時代」(1917)を「中央公論」に発表した。1920年代からは結婚生活や家族問題、関東大震災、出版事業の失敗、さらに愛人問題など困難が続くも、文筆家として精力的な仕事をした。戦後は熱海に移住。「異邦人論争」(1951)で論壇の注目を集める。また、松川事件の再審無罪を訴える活動に尽力し、昭和36年(1961)の全員無罪判決に立ち会った。『広津和郎全集』など。
葛西善蔵「遁走」・「湖畔手記」/「新小説」大正7年(1918)九月号・「改造」大正13年(1924)十一月号/かさい ぜんぞう 1887―1928/青森県生まれ。貧しい幼少期を送り、各地を転々としながら独学で文学に親しむ。明治38年(1905)初上京、哲学館大学(現東洋大学)に学ぶが中退。徳田秋声に師事し、相馬御風を紹介されたことで光用穆と知り合う。大正元年(1912)、舟木重雄、広津和郎、相馬泰三らと同人雑誌「奇蹟」を創刊し、処女作「哀しき父」を発表。のち「雪をんな」「子をつれて」などを発表し、自己の窮乏や家庭的破綻を赤裸々に描く私小説作家として注目される。以後も流浪と病苦、家庭不和と貧困の中で創作を続け、「椎の若葉」「湖畔手記」などの作品を残した。『葛西善藏全集』など。
松本恭三「欺く」/「婦人公論」大正13年(1924)十月号/まつもと きょうぞう 1885―1924/広島県生まれ。明治43年(1910)、早稲田大学商科卒業。卒業後は鉄道院に勤務するが短期間で退職、帰郷後は尾道市役所にも勤めた。大正8年(1919)7月に再び上京。翌大正9年末から10年頃にかけて、「解放」「自由評論」「国本」などに「示談」「宿直の夜」「鼠」「良人」を発表した。
峯岸幸作「月光と青年」/「奇蹟」大正2年(1913)三月号/みねぎし こうさく 1889―1919/群馬県生まれ。大正2年(1913)、早稲田大学英文科を卒業。明治45年(1912)、「早稲田文学」に「老犬」を、大正元年(同)から翌年にかけ同人誌「奇蹟」において「日没」「血」「たそがれ」「月光と青年」などを発表する。また大正2年には相馬泰三の後を継ぎ「婦人評論」の編集に携わった。のち名古屋日日新聞に入り、さらに金沢の石川毎日新聞に主筆として招かれるが、「デモクラシー」を巡る筆禍事件により投獄される。出獄後、持病の心臓弁膜症が悪化し、程なく逝去した。「婦人評論」に「ショウの結婚論」「職業的婦人」などを執筆、ほか峰岸孝作名義でモーパッサン「悔恨」訳がある。
舟木重雄「山を仰ぐ」 /『舟木重雄遺稿集』昭和29年(1954)6月28日/ふなき しげお 1884―1951/東京芝(現港区)生まれ。ドイツ文学者で小説家の舟木重信の兄。早稲田大学文学部英文科に入学し、のち哲学科に転じて大正2年(1913)に卒業。中学時代から友人と回覧雑誌、同人誌を作るなど早くから文筆に親しみ、投稿も盛んに行なった。大正元年には光用穆、相馬泰三、葛西善蔵、広津和郎らと同人誌「奇蹟」を創刊。その中心人物として同誌に「馬車」「乳母の死」「ある青年の死」を発表した。大正15年、友人志賀直哉の誘いもあり奈良へ移住。中学時代からの友人九里四郎をはじめ、武者小路実篤、瀧井孝作らとも交わりを深める。没後、志賀直哉が発行人となり『舟木重雄遺稿集』が刊行された。
ロンドン
セリーヌの詩情の源泉たる霧の都ロンドン。女衒やアナキストが跳梁するこの魔都は、やがて海彼の世界大戦の熱狂に飲まれて錯乱の渦と化してゆく―
―『戦争』続く没後発見された原稿邦訳第2弾。
グロテスク・リアリズムが最高純度で炸裂する自伝的悪漢小説
―『戦争』続く没後発見された原稿邦訳第2弾。
グロテスク・リアリズムが最高純度で炸裂する自伝的悪漢小説
虹の女神が涙したとき
太平洋戦争時、日本軍の侵攻に抵抗するフィリピンの住民たちが自由のために戦う中、一人の少女が神話的想像力によってエンパワメントを歌い求める――フィリピン系アメリカ人女性作家ブレイナードの半自伝的なマジックリアリズム小説にして歴史証言の文学。本邦初訳。
故ギャレ氏 リバティ・バー
作家シムノンが生涯を通じて書き続けた〈メグレ警視シリーズ〉の最初期の傑作二篇を合本。
早晩、結実する〈硬い小説(ロマン・デュ―ル)〉を彷彿とさせる舞台で、偏見持ちで情の深いメグレ警視ならではの人間観察が冴える、じっくり味読したい探偵小説が新訳で復活!
早晩、結実する〈硬い小説(ロマン・デュ―ル)〉を彷彿とさせる舞台で、偏見持ちで情の深いメグレ警視ならではの人間観察が冴える、じっくり味読したい探偵小説が新訳で復活!
朱雀門
平安京の朱雀門には鬼が住むという。
平安初期実在の中納言・紀長谷雄が朱雀門の楼閣で謎めいた男と賭け盤双六の勝負。その顛末を描く絵巻「長谷雄草紙」をもとにした物語。
閣で謎めいた男と賭け盤双六の勝負。その顛末を描く絵巻「長谷雄草紙」をもとにした物語。
人間界と異界の狭間の怪奇幻想譚
平安初期実在の中納言・紀長谷雄が朱雀門の楼閣で謎めいた男と賭け盤双六の勝負。その顛末を描く絵巻「長谷雄草紙」をもとにした物語。
閣で謎めいた男と賭け盤双六の勝負。その顛末を描く絵巻「長谷雄草紙」をもとにした物語。
人間界と異界の狭間の怪奇幻想譚
メダンの夕べ 戦争と女たち
戦場、野戦病院、兵舎、総司令部などにおける「現実」を直視し、戦時下の軍人や女たちの生を鮮明に描き出すことによって、戦争美化の言説に抗議の声をあげる――パリ郊外のメダンにあるゾラ宅に集った、モーパッサン、ユイスマンスら6人のフランス自然主義作家が普仏戦争(1870-71)を記録、諷刺した短編小説集。本邦初完訳。
※『メダンの夕べ』:メダンはパリ郊外の小村。メダンのゾラ宅に、自然主義文学者ゾラに共闘の意を示す若き五人の文学青年たちが集い、ゾラと一緒に、普仏戦争を題材にした共作短編集を作ることになったことから付けられた題名。ゾラを除く五人の青年は二十歳前後で普仏戦争時に従軍。普仏戦争の現実こそ自然主義文学の対象にふさわしい題材と捉えた。
※普仏戦争:1870―71年、ドイツ統一をめざすビスマルク率いるプロイセンと、第二帝政下フランス(皇帝ナポレオン三世)との間で行われた戦争。スペイン王位継承問題をきっかけに、プロイセンの挑発に乗りフランス側から開戦。ドイツ諸邦はプロイセン側に立って参戦し、フランスに圧勝。敗れたフランスは、アルザス‐ロレーヌをプロイセンに割譲。第二帝政が崩壊したフランスではパリ・コミューンが成立。その後、第三共和制となる。
【目次】
序文
水車小屋の攻防 エミール・ゾラ
脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン
背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス
瀉血 アンリ・セアール
大七事件 レオン・エニック
戦闘のあと ポール・アレクシ
補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文
補遺二 メダンの夕べ―どのようにしてこの書が作られたか
註
『メダンの夕べ』年譜
訳者解題
※『メダンの夕べ』:メダンはパリ郊外の小村。メダンのゾラ宅に、自然主義文学者ゾラに共闘の意を示す若き五人の文学青年たちが集い、ゾラと一緒に、普仏戦争を題材にした共作短編集を作ることになったことから付けられた題名。ゾラを除く五人の青年は二十歳前後で普仏戦争時に従軍。普仏戦争の現実こそ自然主義文学の対象にふさわしい題材と捉えた。
※普仏戦争:1870―71年、ドイツ統一をめざすビスマルク率いるプロイセンと、第二帝政下フランス(皇帝ナポレオン三世)との間で行われた戦争。スペイン王位継承問題をきっかけに、プロイセンの挑発に乗りフランス側から開戦。ドイツ諸邦はプロイセン側に立って参戦し、フランスに圧勝。敗れたフランスは、アルザス‐ロレーヌをプロイセンに割譲。第二帝政が崩壊したフランスではパリ・コミューンが成立。その後、第三共和制となる。
【目次】
序文
水車小屋の攻防 エミール・ゾラ
脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン
背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス
瀉血 アンリ・セアール
大七事件 レオン・エニック
戦闘のあと ポール・アレクシ
補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文
補遺二 メダンの夕べ―どのようにしてこの書が作られたか
註
『メダンの夕べ』年譜
訳者解題
ヴァイルビューの牧師 他六篇
デンマーク辺境の荒地を描いてアンデルセンやキェルケゴールを魅了し、19世紀前半の〈デンマーク黄金時代〉に詩的リアリズム文学を大成したスティーン・スティーンセン・ブリカー。表題作はじめ『ある教会書記の日記』など、人間の避けられぬ悲運や孤独を描いた全7篇の傑作短編集。
■訂正■
奥付著者名に誤りがありました。
【誤】スティーン・スティーセン・ブリカー
【正】スティーン・スティーンセン・ブリカー (ミドルネームのなかほどの「ン」が抜けておりました。
お詫び申し上げます。
■訂正■
奥付著者名に誤りがありました。
【誤】スティーン・スティーセン・ブリカー
【正】スティーン・スティーンセン・ブリカー (ミドルネームのなかほどの「ン」が抜けておりました。
お詫び申し上げます。
耽美・悪食・へらず口
日本のビアズリーと称され、谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』の挿絵で名を馳せた画家。
大逆事件当時と関東大震災直後の二度、発禁を食らうも、政府を嘲弄し、世相を皮肉った文筆家。
その目が確(しか)と捉えた震災時の流言と暴力、2.26事件時の関西市井の反応、歯に衣着せぬ帝国美術院展覧会評、そして、生まれ育った東京下町の風景、のぞきからくりに田舎芝居、文楽に歌舞伎役者、はてはライオンの味まで……自称「ヨタ原稿」の絢爛。
図版約50点。
【購読者特典を用意します】(できは10月末予定、でき次第ご請求の方にお送りします)
奇想のホラー小説「片盲の地獄太夫」を掲載した小冊子を、先着500名様にプレゼント!
「片盲(かためしい)の地獄太夫」は、大正2(1913)年11月に「モザイク」誌に発表された、簡単には読むことができない作品です。
明治末、団子坂の菊人形をはじめ、幕末文化の衰亡を背景に、生人形師の父子2代が破滅に至るさまを妖しく物語り、水島が残した小説でも屈指のできばえです。 本冊子では、新進画家・野田大地氏の描き下ろした挿絵も加えました。
☆応募方法
『耽美・悪食・へらず口 水島爾保布コラム・創作選』を購入されたことがわかるレシートや納品書の画像を添付し、必要事項①~③をご記入のうえ、小社代表のアドレスgenki@genki-shobou.co.jpまでメールをお送りください。
①お名前
②ご住所
③お電話番号
レシートや納品書の画像添付および必要事項のご記入がない場合は発送できません。
いずれかがぬけていても、こちらから問い合わせることはございませんので、全て揃っていることをご確認のうえ、メールをお送りください。
非売品ですので、この機会にぜひご応募ください。
なお、個人情報は本冊子の発送以外には用いません。
大逆事件当時と関東大震災直後の二度、発禁を食らうも、政府を嘲弄し、世相を皮肉った文筆家。
その目が確(しか)と捉えた震災時の流言と暴力、2.26事件時の関西市井の反応、歯に衣着せぬ帝国美術院展覧会評、そして、生まれ育った東京下町の風景、のぞきからくりに田舎芝居、文楽に歌舞伎役者、はてはライオンの味まで……自称「ヨタ原稿」の絢爛。
図版約50点。
【購読者特典を用意します】(できは10月末予定、でき次第ご請求の方にお送りします)
奇想のホラー小説「片盲の地獄太夫」を掲載した小冊子を、先着500名様にプレゼント!
「片盲(かためしい)の地獄太夫」は、大正2(1913)年11月に「モザイク」誌に発表された、簡単には読むことができない作品です。
明治末、団子坂の菊人形をはじめ、幕末文化の衰亡を背景に、生人形師の父子2代が破滅に至るさまを妖しく物語り、水島が残した小説でも屈指のできばえです。 本冊子では、新進画家・野田大地氏の描き下ろした挿絵も加えました。
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非売品ですので、この機会にぜひご応募ください。
なお、個人情報は本冊子の発送以外には用いません。
スカートをはいたドン・キホーテ
『ドン・キホーテ』のパロディーたるスペイン自然主義文学にして、マリオ・バルガス゠リョサに「20世紀初頭の前衛小説に先んじた手法」と称された《非現実の夢》を用い、首都マドリードの都市空間の綾を読み解くベニート・ペレス゠ガルドスの都市小説の傑作長編。本邦初訳。
ごんぼ色の残照 小学生編/高校生編
●小学生 編
えらいこってすなぁ。オリンピックと阪神の優勝。
盆と正月が一緒に来たようで
忍者ごっこに銀玉鉄砲、 生國魂神社の夏祭り、日生球場のカクテル光線、上町筋の 聖火リレー…大阪人の闊達に揉まれ、路地を走りまわった 昭和39(1964)年、〝ガキ大将〟の躍動の日々。 家出した親友、初恋と失恋、小説・昭和の大阪
●高校生 編
せや、爆発させたかったんや。対象はなんでもよかったんや
屋上でふかしたタバコ、ビートルズ解散、教室で炸 裂するロック、今里新地の部屋のシミ、赤目渓谷の飯盒炊 爨、御堂筋の10・21国際反戦デー……昭和46(1971) 年、〝遅れた世代〟の逡巡の日々。小説・昭和の大阪。
えらいこってすなぁ。オリンピックと阪神の優勝。
盆と正月が一緒に来たようで
忍者ごっこに銀玉鉄砲、 生國魂神社の夏祭り、日生球場のカクテル光線、上町筋の 聖火リレー…大阪人の闊達に揉まれ、路地を走りまわった 昭和39(1964)年、〝ガキ大将〟の躍動の日々。 家出した親友、初恋と失恋、小説・昭和の大阪
●高校生 編
せや、爆発させたかったんや。対象はなんでもよかったんや
屋上でふかしたタバコ、ビートルズ解散、教室で炸 裂するロック、今里新地の部屋のシミ、赤目渓谷の飯盒炊 爨、御堂筋の10・21国際反戦デー……昭和46(1971) 年、〝遅れた世代〟の逡巡の日々。小説・昭和の大阪。
カトリーヌ・クラシャの冒険
ボードレール、ネルヴァル、ヘルダーリンに列せられる詩人・小説家ピエール・ジャン・ジューヴ――映画女優カトリーヌをめぐる三角関係と破局を描く『ヘカテー』。小説の結構が瓦解し、主人公の夢と現が混淆する『ヴァガドゥ』。めくるめく二つの物語がオペラのように紡がれる詩的長編小説。
綱渡り
画家になることの断念から「新しい小説」を書く作家へとみずからを変貌させた小説家クロード・シモン――作家自身の自画像を描いた〈私小説〉を想起させる自伝的小説にして、文学の前衛運動をいち早く先取りしていた、世界文学最初の〈ヌーヴォー・ロマン〉作品。本邦初訳。
太宰治非戦小説集
相手の人のけちな用心深さが悲しく、
いよいよ世の中がいやでいやでたまらなくなります。
文学が荒廃した戦時下も、太宰は太宰であった。
人間の、もっと根深いところから滲み出た資質。
戦前、戦中、戦後の18篇。
戦後80年・昭和100年
【収録作】
Ⅰ 戦 前
温泉 大正12年(1923)
列車 昭和8年(1933)
葉 昭和9年(1934)
二十世紀旗手 昭和12年(1937)
黄金風景 昭和14年(1939)
新郎 昭和17年(1942)
Ⅱ 戦 中
十二月八日 昭和17年(1942)
律子と貞子 昭和17年(1942)
待つ 昭和17年(1942)
佳日 昭和19年(1944)
散華 昭和19年(1944)
瘤取り ―お伽草紙 昭和20年(1945)
舌切雀 ―お伽草紙 昭和20年(1945)
Ⅲ 戦 後
未帰還の友に 昭和21年(1946)
冬の花火 ―三幕 昭和21年(1946)
メリイクリスマス 昭和22年(1947)
桜桃 昭和23年(1948)
家庭の幸福 昭和23年(1948)
いよいよ世の中がいやでいやでたまらなくなります。
文学が荒廃した戦時下も、太宰は太宰であった。
人間の、もっと根深いところから滲み出た資質。
戦前、戦中、戦後の18篇。
戦後80年・昭和100年
【収録作】
Ⅰ 戦 前
温泉 大正12年(1923)
列車 昭和8年(1933)
葉 昭和9年(1934)
二十世紀旗手 昭和12年(1937)
黄金風景 昭和14年(1939)
新郎 昭和17年(1942)
Ⅱ 戦 中
十二月八日 昭和17年(1942)
律子と貞子 昭和17年(1942)
待つ 昭和17年(1942)
佳日 昭和19年(1944)
散華 昭和19年(1944)
瘤取り ―お伽草紙 昭和20年(1945)
舌切雀 ―お伽草紙 昭和20年(1945)
Ⅲ 戦 後
未帰還の友に 昭和21年(1946)
冬の花火 ―三幕 昭和21年(1946)
メリイクリスマス 昭和22年(1947)
桜桃 昭和23年(1948)
家庭の幸福 昭和23年(1948)
アルキュオネ 力線
対独抵抗運動に挺身した「闘士」の作家ピエール・エルバール――無人島で営まれる少年同士の同性愛的な友情を活写するBL小説『アルキュオネ』、スターリニズム下の若き反抗者たちの同性愛と政治参加を巧みに描いた、エルバールの私小説的作品『力線』の2篇を収録。本邦初訳。
デイジー・ミラー/ほんもの
ヨーロッパにおける、アメリカ人女性の無垢で奔放な生を描き、〈国際テーマ〉の名作として文名を高めた短編「デイジー・ミラー」。画家とモデルと絵画の関係を寓話的に描き出す〈芸術もの〉の短編「ほんもの」。ヘンリー・ジェイムズの小説的リアリティの特性が浮かび上がる珠玉の2篇。
愛する者は憎む
幻想的短編小説の名手シルビナ・オカンポと、名作『モレルの発明』の著者にして夫のアドルフォ・ビオイ・カサーレスが共作した唯一の長編小説。スペイン語圏に推理小説ブームを巻き起こすボルヘス監修の伝説的コレクション〈第七圏〉から刊行された名作の探偵小説が本邦初訳で登場。
書棚の一隅 西村賢太が愛した短篇
その耽読した作品をめぐる文章や発言をもとに編んだ、
明治・大正・昭和の10篇。
西村賢太の文学の軌跡を追体験する、その本棚の一隅。
《収録作》
村山槐多「悪魔の舌」
倉田啓明「謀反」
大坪砂男「天狗」
松永延造「アリア人の孤独」
葛西善蔵「哀しき父」
嘉村礒多「足相撲」
田中英光「N機関区」「少女」
北條民雄「いのちの初夜」
山本周五郎「須磨寺附近」
西村賢太の文学の軌跡を追体験する、その本棚の一隅。
《収録作》
村山槐多「悪魔の舌」
倉田啓明「謀反」
大坪砂男「天狗」
松永延造「アリア人の孤独」
葛西善蔵「哀しき父」
嘉村礒多「足相撲」
田中英光「N機関区」「少女」
北條民雄「いのちの初夜」
山本周五郎「須磨寺附近」
ユダヤ人の女たち
文学の徒にして親友だったフランツ・カフカの遺言に逆らい、遺稿を守って亡命、カフカ全集を編纂して世界文学に貢献した作家・翻訳家マックス・ブロート――1910年代チェコのギムナジウムに通うドイツ系ユダヤ人青年の恋愛と蹉跌を赤裸に描く、ブロートの自伝的小説。本邦初訳。
失われたスクラップブック
“ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めく、ポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――“読まれざる傑作”として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!
第11回日本翻訳大賞受賞作。
第11回日本翻訳大賞受賞作。
ジュネーヴ短編集
手書きの文字と線画を組み合わせ、コマ割マンガの創始者となったジュネーヴの作家ロドルフ・テプフェール――諧謔精神あふれる半自伝的小説「伯父の書斎」、アルプスの風土をスイスことばで描いた冒険譚「アンテルヌ峠」など珠玉の全8篇をテプフェール自身の挿絵つきで収録。本邦初訳。
□収録作
伯父の書斎
遺産
アンテルヌ峠
ジェール湖
トリヤン渓谷
渡航
グラン・サン=ベルナール
恐怖
□収録作
伯父の書斎
遺産
アンテルヌ峠
ジェール湖
トリヤン渓谷
渡航
グラン・サン=ベルナール
恐怖