20世紀のスキャンダル作家セリーヌの死後60年の時を経て発見され、「21世紀の文学史的事件」と国内外で話題を呼んだ幻の草稿群のひとつ、『戦争』――『夜の果てへの旅』に続いて執筆された未発表作品にして、第一次大戦下の剥き出しの生を錯乱の文体で描き出した自伝的戦争小説が本邦初訳で登場!https://www.genki-shobou.co.jp/wp-admin/upload.php
森鷗外『舞姫』を彷彿させる、ドイツ留学したエリート医学生の西欧との出逢い、東欧との疎隔とその葛藤を描く自叙伝的作品『ドイツの歌姫』。古き良き民衆を大らかな共感と深い洞察で活写し、19世紀セルビアのリアリズム文学を確立したラザーレヴィチの中短編6篇を収録。本邦初訳。
「河原者たア誰を指した。江戸随一の團十郎だ。てめえの眼は節穴だな。」
邦枝が誘(いざな)い、雪岱が開眼した江戸風情の世界。
八代目市川團十郎を軸に描く人間模様。
『おせん』に先立つ一年前の、記念碑的作品。
雪岱研究者の真田幸治により単行本初収録の挿絵70点を完全復刻し刊行。
レジャーと治療、自然のスペクタクル、社交と娯楽、投機と事業、源泉所有権をめぐる資本所有者たちのたくらみと諍い、恋愛と姦通――温泉リゾート「モン゠オリオル」を舞台に種々様々な人間たちの「感情」が絡み合う、モーパッサンが描く一大〈人間喜劇〉。
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メキシコ革命を兵士として生きた後、労働者として、変動するメキシコシティの地を這って生きるヘスサという女性は何者か――ジャーナリストの経験を活かし、一個人の証言を多声的な〈女性〉の物語へと昇華させた、セルバンテス賞受賞の女性作家によるルポルタージュ文学の傑作長編。本邦初訳。
ポニアトウスカ『乾杯、神さま』の本文で、
脱字等の誤植がありました。
p.203・上段・5行目
(誤)
わたしは一気に女たちに(改行)
し立てた。
↓
(正)
わたしは一気に女たちに捲し立てた。
ここに訂正してお詫びいたします。
本書訳者解題の一部は
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アポリネール、ブルトン、レーモン・クノー、イヨネスコ、ボリス・ヴィアンら20世紀フランスの前衛作家たちに多大な影響を与えた、不条理の作家アルフレッド・ジャリ――兵役体験における生と存在を夢幻的に描く『昼と夜』、催眠術によって新しい世界を創造しようとする『絶対の愛』の小説2篇を収録。
出会い、引っ越し、再婚、断煙、禁断症状、不安神経症、ノイローゼ、睡眠障害、鬱、妻の事故……その屈託に寄り添った妻との十五年。4篇収録
廊下で蛍とすれ違うことがある。といっても大抵はトイレから出て来た蛍の脇を私が通るのだが、狭いから、蛍は片側の壁に、両手をあげてピタッと張り付き、「あじのひらきッ」と言うのである。
【収録作】
蛍日和
幻肢痛
幕見席
村上春樹になりたい
ある精神科医の、少年時代からの、インモラルな心の軌跡。
溝口病院の当直室から、駅の線路が見える。
ガタンガタンと通る列車が見える。ガタンガタンと、死にたさが鳴る。
ハハ、みんなの死にたさを
だれも だれしも
癒すことなんてできないから、きょうも私は
虚無に供物をささげているのです
著者:
1989年:東京生まれ。ほか非公開
装画:村祖俊一
「夫婦善哉」を軸に、家族の“時”が結ばれる、こころに沁みる物語。
表題作ほか、「チンチン電車の風音」 「ロック・フォートの夕照」を収録
※「おたやん」とは古い大阪ことばで「お多福人形」のこと。
ハンガリー独立運動の道半ばにして斃れた仲間たちから「裁き」の使命を託されたシャーンドル・マーチャーシュ伯爵。果たして彼は、奸智に長けた仇敵たちを捕らえることができるのか?
悪党どもに正義の鉄槌を下さんとして、神出鬼没の謎多き医師アンテキルト博士とその仲間たちが地中海を舞台に躍動する。
『海底二万里』『八十日間世界一周』を凌駕し、ジュール・ヴェルヌの小説シリーズ〈驚異の旅〉の中でも最大級のスケールを誇る、狂瀾怒濤の海洋冒険物語。上巻は、全五部のうち第三部第四章までを収録。下巻は、第三部第五章から第五部最終章までを収録。エッツェル版挿絵全点を掲載した新訳決定版。
君も俺の黒い底
畜生の根性 火事場泥棒 人間の本当とは
帰ってきた私小説
「私は皆ながいいなら……、大丈夫です」「そうか、では彼にはよく反省して貰って、この話し合いはこれで終りということでいいね。サア君、皆なへ謝り給え!」「迷惑かけて、真実(ほんと)にすみませんでした!」「君、俺にじゃなくて彼女達に謝るんだぞ!」「真実(ほんと)に! ごめん! 君達! ごめんよ!」「ウム、そうだ! ほら、若者らしく握手して、仲直りし給え!」……そんな中、一人異才(いさい)な者がこの即興劇には混じって居た、時計は八時を指した、無論それは亜由美であった。――本文より
あとがきよりこれまでの人生をそろそろ勘定していかなければならない、そんな気持が私にこれらを書かせた。またこうしたものを書くからには、その種の嘘偽りを禁じることを肝に銘じて、血でもって書く作家の本分として取り組んだ。結果それは私の家族を、友を、愛する人達を、傷つけることになっただろうか。許してくれというほかにない。――「あとがき」より
斬新な構成、独特な心理描写で、彫刻家である主人公の、三代にわたる女性への愛情が赤裸に描かれる――唯美主義、ダーウィニズムの思想を取り込み、〈性愛と芸術〉の関係を探究し続けた英国ヴィクトリア朝の詩人・小説家トマス・ハーディが最後に著したロマンス・ファンタジー。
小説か詩か暗号か。ギムゲニスト、シュルレアリスム 埋もれていた実験小説27篇を収録小説か詩か暗号か。ギムゲニスト、シュルレアリスム 埋もれていた実験小説27篇を収録
北園克衛の画を装画として本文やカバー、表紙などに14点使用。
■目次■
i
ホテルとパイプ
意識的偶成 3 対抗運動としての植物的な一形式
赤い巻煙草 デエードシユカ伯父さんのそのグループのための短篇
紫色の液体
スパイラル期の暗号
RONODO UN PICARO(人間はこうもなるものであるか!)
ブリリアント
逆体
ⅱ
銀座(或る人々の生活に就いて)
生きる薔薇
日傘
Sanisarisus 夜話
海洋ホテル 銀色の装禎ある記録
エロトマニアの視線 近代型パラソル流行の原理に就いて
ポリドオルの閨
第七課 芸術誌
上層記号建築
車前草の咲いてゐる短編
NOIR(黒の如きもの) a sentimen
春の鏡
魔女の灰
水星の時間
ⅲ
エリコ
初夏のアクシデント
秋のトリック
シユウルレアリストの街
詩のプレゼント
附録 ヌポセチエンスク街(合作)
解説 加藤仁
「一冊の本」に断続的に連載され、未完の連作短編、初の書籍化。連作短編集『素顔』の続編にあたります。
移りゆく現代の生活を研ぎ済まされた文体で描いた、みずみずしい日本語散文の極致。
解説:佐伯一麦
<失われたもの>がよみがえるとき…
…
「読書する女性」との出会いが、
若き日の錬頼の記憶と
街の「残された息遣い」を呼び覚ます。
静謐なる「来し方」文学。
巻末に、作品の舞台となった土地にまつわるエッセイを付す。
著者自装。
理想と現実に引き裂かれる曖昧なる人間の愚かさを見つめ、キリスト教社会の欺瞞、西欧社会の偽善を炙り出す――『白鯨』の著者メルヴィルが世界の破滅絵図【ピクチュアレスク】として描いた大長編の問題作。
半神たちが屑を踏みつけている。「美徳」と「悪徳」も屑なのだ! イザベル、ぼくはそういったことを書くつもりだ――そしてぼくは、この世界にあらためて新しい福音を説き、『黙示録』よりも深い神秘を示してやる!――そういうものをこそぼくは書く! いや書いてみせる!
全26書のうち、上巻には、イザベル登場によりピェールの反逆の人生の火蓋が切られる〈第12の書〉までを、下巻には、故郷からの旅立ち、作家への道と破天荒な人生行路が待ち受ける〈第13の書〉からを261収録。
【お詫び】カバー袖の著者生没年の誤りについて
上・下巻とも
【誤】1777-1843
【正】1819-1891
1刷での誤りです。2刷以降修正いたします。訂正し、お詫び申し上げます。
一部でしかその存在が知らていなかった幻の小説。これで初めて、小説家・井上ひさしの「全容」が明らかに。
最後の「新刊」小説。
直木賞受賞直後の1974〜75年、「週刊文春」に連載された1700枚に及ぶ未完の大長編。
40歳前後という、まさに脂の乗りきった時期に書かれた意欲作。。
物語は架空の人物・こんにゃく屋の倅の久太郎を主人公に、まだ名を挙げる前の新選組一派に加わり散々な目に巻き込まれる第一部。
そして放浪の果てスーパー忍者となった主人公がトンデモ忍法で歴史の裏側で暗躍する第二部。
戯作者たらんとした作家の、身分解放へのまなざし。
アガサ・クリスティらと、1920~30年代の〈探偵小説の黄金期〉を牽引した女性作家ドロシー・L・セイヤーズ――探偵らしさと男らしさの狭間で存在の不安に揺れ動く男性探偵の危うさに焦点を当てた、〈ピーター・ウィムジィ卿〉シリーズの重要な転換期となる奇妙な探偵小説。
個人的な感情が調査に影響したことはこれまでにもあったが、それが彼の知性を曇らせたことはなかった。彼は手探りをしていた――自分のことをあざ笑いながらあちこち逃げていく可能性を摑むために。出鱈目に質問しては目的を見失い、かつては刺激的だった時間の足らなさはいまでは彼を怯えさせ、混乱させてもいた。
東京の一部上場企業の社長と富山の介護施設の老人の死が、
[nachtflug(夜間飛行)]というドイツ語を媒介に、
函館を拠点とした華族、そして、
ナチス統治下のウィーンの一企業の「株券」へと繋がってゆく、
壮大な歴史ミステリー。
ナポレオンとの政治的対立から追放されながら、個人の自由と寛容を重んじ、政治的リベラリズムを貫き通したスタール夫人――奴隷制度廃止宣言の翌年に刊行された、三角貿易の拠点セネガル、アンティル諸島、ル・アーヴルを舞台にした三人のヒロインたちによる「愛と死」の理想を描く中編小説集。本邦初訳。
目次
1795年の序文
三つの物語
ミルザ、あるいは、ある菱光社の手紙
アデライードとテオドール
ポーリーヌの物語
註
スタール夫人年譜
訳者解題
原タイトル:Trois Nouvelles
訳者解題の一節は
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