両吟集 爛柯

「連句は連想がもたらす時空の変化、イメージの変遷を言葉で定着しようとする試みである。」
現代連句出版の到達点。

令和二年コロナ・パンデミック
遠雷の街に潜める憂ひあり
 朱夏の渚に寄する高波

令和五年コロナほぼ終息
原色のラテン系ゆく冬の街
 カオスを蹴ってブーツ闊歩す

精読 アラン『心の冒険』

人はいかにして、身体を用いて、心の冒険をしているのか?

アランが最後にたどり着いた
「プロポ」の先の、哲学の思索

〈労働〉〈倦怠〉〈羨望〉〈野心の初段階〉〈気分〉〈愛の情動〉〈永遠なもの〉……
人間の心の諸冒険の動きに寄り添い、考察する38章の哲学レッスン。『アラン『定義集』講義』の著者による翻訳+解説の日本語版オリジナルで送る、アラン晩年の哲学思想の集大成!

三つの庵

みずからの住まい、佇まいの中心に
文学という名の宇宙が存在する。

H・D・ソロー、パティニール、芭蕉
孤高なるユートピアンの芸術家たちがこしらえた「庵」の神秘をめぐる随想の書。
世界中のすべての隠遁者におくる《仮住まいの哲学》、
孤独な散歩者のための《風景》のレッスン。

ソロー(『ウォールデン 森の生活』)「ウォールデンの小屋は働かない者の住まいでもなければ、働き者の住まいでもない。」
パティニール(15-16世紀フランドルの画家)「パティニールは空の青を、彼の小屋を見せてくれた。物ではなく、深く穿たれたヴィジョンを。万物の隠れ棲むさまを。」
芭蕉「たしかに芭蕉は「地の果て」に憧れてはいたものの、彼が旅から学んだのは、どんな境界であれ、結局は私たちが今いる場所を通過するという事実だった。その教えは絶対である。だから、旅路の果てに行き着くには、仮小屋を作るだけで十分なのだ。」

原著:Christian DOUMENT TROIS HUTTES, Éditions Fata Morgana,2010

断想集

イタリア人に最も愛されている詩人にして、漱石や龍之介らにも影響を与えた19世紀イタリアの思想家・哲学者の、実存主義に先駆けた哲学散文集。

本書の訳者解題はnoteで公開しています。

ルリユール叢書のInstagramインスタグラムはこちらです。

アラン『定義集』講義

264のアランが遺した言葉をめぐる『定義集』を完全新訳し、詳細で徹底的な註解をつけた、正統派哲学講義。考えるレッスンに最適な一冊。908頁の大著。

秋の思想

時代の境界「秋」を情と志に生きかつ死んだ「人」。知の玩弄物と化した「思想」に「理想」を追い求めた孤高の思想家の絶筆。