レペルトワール Ⅱ

書物はモビールでなくてはならない。それも、他のすべての書物の運動(モビール)性をめざめさせるモビール、他の書物の火をかき立てるような炎(ほむら)であるべきだ。

「長編小説(ロマン)と詩」を筆頭に、長編小説をめぐる原論的考察を中心とする前半の理論篇、ラブレー、セルバンテス、ラクロ、シャトーブリアン、バルザック、ユゴー、マラルメ、プルースト、そしてビュトール自身を対象とするモノグラフィからなる後半の応用篇という二連画(ディプティック)が、いつしか長編小説(ロマン)の似姿となり、みずからを超克していく――小説を超える小説(シュルロマン)としての文芸批評、ここに開幕!