おしらこさま綺聞

記憶と地層の深みから 「未知なる声」が響き渡る 圧倒的創造空間

声(こィ)よりも深(ふが)い音(おと)っこ、
生類(しょうるい)は抱(かが)えておるんじゃ
ねぇのすか。

おーしらこさまは、
身代(みが)ァりどぉ、
あんだァの

唐十郎のせりふ

第32回吉田秀和賞受賞作
詩人が「文学探偵」として唐戯曲の迷宮のありようを、鋭く解き明かす、画期的批評。
巖谷國士氏、推薦「唐十郎の紅テント劇の狂おしさと切なさ、猥雑さと崇高さ。60年代のロマン的な昂揚から、バブル後の棄てられたオブジェ人間たちの抵抗まで。民衆のあらゆる声を聴きとる「巨大な耳」をもった鬼才の戯曲を、若い観客の身体感覚で読み解いてゆく。この危機の時代にこそよまれるべき本だろう。」

唐十郎の唐組時代の2000年代の戯曲を取り上げる。
主要目次
幻獣篇
鉄砲水よ、分裂のかなたで吹け! 『透明人間』2006年改訂版
ひょうたん池の海底は、永遠 『風のほこり』2005年
詩は溢れる、極小の海に 『泥人形』2003年
宝箱篇
唐版・卒塔婆小町 『虹屋敷』2002年改訂版
人形が人間になるとき 『夜壺』2000年
使え、いのちがけで 『闇の左手』2001年
へその糸を切っちまえ 『糸女郎』2002年
疾風篇
二つの風、一センチの宇宙 『鉛の兵隊』2005年
メールストロームの彼方で笑え! 『津波』2004年
渾身の夕暮れ 『夕坂童子』2008年
縫え、記憶という絵を 『紙芝居の絵の町で』2006年
不死身のかたまり 『ジャガーの眼2008』2008年改訂版
謎海篇
漆黒の女坑夫は、何処へ 『黒手帳に頬紅を』2009年
「八重」という女 『西陽荘』2011年
水の大工か、唐十郎は 『海星』2012年
巨耳篇
唐十郎のせりふ