加藤晴久文集 Ⅰ

バリバール、アルチュセール、ピエール・ブルデューらの論考や、『「ル・モンド」から世界を読む』刊行後の連載や初期ののフランス文学研究論文や翻訳について。「加藤さんは、日本語の翻訳をぱらぱらと見ただけで原文などにあたらずに誤訳を発見する名人である。」(蓮實重彥)
【目次】
◆第1章 La Traduction(文学・翻訳)
サント=ブゥヴの方法
レオポルド・セダール・サンゴールと「ネグリチュード」
実践翻訳講座●ヌーヴォー・ロマンの作家たち
 ナタリー・サロート『見知らぬ男の肖像』
 アラン・ロブ=グリエ『嫉妬』
 ミシェル・ビュトール『心変り』
 クロード・シモン『フランドルへの道』
欠陥翻訳時評
 『自己批判』(L・アルチュセール)
 由々しい問題 不幸な事態
 翻訳とは忠実さの芸術である
◆第2章 La Vie(人生・思想)
大江(健三郎)くんのこと 書評 川田順造 三著作
前田(陽一)先生のダンディスム
「宿命」と「自由」
退官の言葉 それでもやはり、この一言を
フランス語でアフリカを探し続ける作家 アンリ・ロペス
ブルデュー社会学の「汎用性」
ブルデューとは誰か
ブルデュー 追悼
『ブルデュー 闘う知識人』あとがき
ブルデューは生きている
◆第3章 La Pansée(随想)
クラルテとは(未発表・手書き草稿)
アンリ・バルビュスと日本人
バリバール『プロレタリア独裁とは何か』訳者解説
スターリン主義と民主集中制 フランス共産党の場合 
  アルチュセールと知識人党員の「造反」
ニヒリズムを超えて  アンリ・ルフェーヴルへのインタビュー
幻視的フランス像 佐々木力氏の「吶喊」に感奮しつつ
文明の衝突? 緊急特集「アルジェリア・テロ」事件とは何か
◆第4章 Le Monde (「ル・モンド」)
「機」(藤原書店PR誌)連載(単行本収録以降)原稿
◆コラム(蓮實重彥、鹿島茂)

ルソーとその妻テレーズ

童貞喪失、人文学史上で黙殺されてきた恋愛不要の結婚、そして死。 ヴォルテールの執拗な攻撃、ヴァラン夫人とドゥドト夫人への想い。 精神分析とポストモダンの泥沼にまみれたルソーを救い出し、 未だ多く残る君主制を廃棄する手がかりとして、その思考を追う。
書き下ろし論考

渇 き

日常生活における真の「愛」の実相が家庭劇の対話を通じて追求され、登場人物各自の自発的な自己反省から人間存在そのものの内なる飢え、〈渇き〉という存在論的問題が浮き彫りにされる――「形而上的体験」が具現化された、哲学者ガブリエル・マルセル中期の代表的戯曲。本邦初訳。四六

心霊学の理論

ヴィルヘルム・グリム、フケー、C・G・ユングらを魅了し、人心を惑わす「危険な書」として発刊即、発禁となった禁断の書。霊界、幽体離脱、ドッペルゲンガー、テレパシー等々を克明に詳述したユング゠シュティリングの哲学的思索の総決算の書にして、スヴェーデンボリを超える心霊書。本邦初訳。

両吟集 爛柯

「連句は連想がもたらす時空の変化、イメージの変遷を言葉で定着しようとする試みである。」
現代連句出版の到達点。

令和二年コロナ・パンデミック
遠雷の街に潜める憂ひあり
 朱夏の渚に寄する高波

令和五年コロナほぼ終息
原色のラテン系ゆく冬の街
 カオスを蹴ってブーツ闊歩す

精読 アラン『心の冒険』

人はいかにして、身体を用いて、心の冒険をしているのか?

アランが最後にたどり着いた
「プロポ」の先の、哲学の思索

〈労働〉〈倦怠〉〈羨望〉〈野心の初段階〉〈気分〉〈愛の情動〉〈永遠なもの〉……
人間の心の諸冒険の動きに寄り添い、考察する38章の哲学レッスン。『アラン『定義集』講義』の著者による翻訳+解説の日本語版オリジナルで送る、アラン晩年の哲学思想の集大成!

三つの庵

みずからの住まい、佇まいの中心に
文学という名の宇宙が存在する。

H・D・ソロー、パティニール、芭蕉
孤高なるユートピアンの芸術家たちがこしらえた「庵」の神秘をめぐる随想の書。
世界中のすべての隠遁者におくる《仮住まいの哲学》、
孤独な散歩者のための《風景》のレッスン。

ソロー(『ウォールデン 森の生活』)「ウォールデンの小屋は働かない者の住まいでもなければ、働き者の住まいでもない。」
パティニール(15-16世紀フランドルの画家)「パティニールは空の青を、彼の小屋を見せてくれた。物ではなく、深く穿たれたヴィジョンを。万物の隠れ棲むさまを。」
芭蕉「たしかに芭蕉は「地の果て」に憧れてはいたものの、彼が旅から学んだのは、どんな境界であれ、結局は私たちが今いる場所を通過するという事実だった。その教えは絶対である。だから、旅路の果てに行き着くには、仮小屋を作るだけで十分なのだ。」

原著:Christian DOUMENT TROIS HUTTES, Éditions Fata Morgana,2010

断想集

イタリア人に最も愛されている詩人にして、漱石や龍之介らにも影響を与えた19世紀イタリアの思想家・哲学者の、実存主義に先駆けた哲学散文集。

本書の訳者解題はnoteで公開しています。

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アラン『定義集』講義

264のアランが遺した言葉をめぐる『定義集』を完全新訳し、詳細で徹底的な註解をつけた、正統派哲学講義。考えるレッスンに最適な一冊。908頁の大著。

秋の思想

時代の境界「秋」を情と志に生きかつ死んだ「人」。知の玩弄物と化した「思想」に「理想」を追い求めた孤高の思想家の絶筆。